早く気づいて・早く逃げて

DVモラハラからの脱出の経緯について書いています。

胸の痛い話し

3人のお子さんを残して

自死されるほどの追い詰められかたとは

欠礼はがきを見て驚きました。伯母さん*1の下のお嬢さんが亡くなられたとの旨。お祖母ちゃんのお見舞いに伺ったとき、そういう話しは一切なかったのに。遠隔地でもあり、お線香を上げに行かれたとき、お話しを伺いました。

最後の連絡を不審に思った伯母夫婦が、警察と共に探しに出掛け、間に合わなかったそうです。国定公園で、訪れたかたが警察に通報し、発見されたとのこと。伯父さんもがっくり肩を落としておられました。

むごい話しでした。里帰りしたお嬢さんに、伯母さんが「帰ってきてもいいんだよ」と言ってきかせ、「それでも子どもが心配」と言って嫁ぎ先に戻って行った矢先だったそうです。婚家でどんな仕打ちを受けていたか、詳細は知りません。が、ずいぶん酷いことだったようで、家族を挙げてお嬢さんを攻撃し、義父・義母・夫は子どもたちに対して、ずっと母親の悪口を吹き込んでいました。

婚家は「知らぬ存ぜぬ」で、他県の警察までなきがらを迎えに行った伯母夫婦は、そのまま家に連れ帰り、野辺送りを済ませました。

法的にも夫婦のまま、お嫁入り道具も預貯金も、彼女のお洋服や持ち物もそのままです。何の対応もない婚家に業を煮やし、話しに行った伯母夫婦に対して、まだ小学生のお子たちを前面に出し、話し合いにも応じません。お子たちの前で、荒立った話しもできず、引き下がってきましたが、ひとことの詫びもなかったとのこと。

ひとごとながら、こんなむごい話しがあるものかと、絶句しました。お子たちを置いて一人で逃げる、お子たちを連れて実家に逃げる、こちら側にいる私たちには様々な案が浮かびます。お子たちを最も心配していた「お母さん」が、『その子を置いて一人であちらに行ってしまう』というのは、よほど考えもできぬようになるほど、追い詰められていたのだと思えました。

お子たちのこれからが心配

たとえ、祖父・祖母・父親が、何を言っていようが、お子たちにとっては「お母さん」です。その母親が亡くなって、しかも自死というかたちでの突然のできごとに、どれだけショックを受けていることでしょう。あの家の雰囲気では、母を亡くしても哀しみすらできぬかと思うと、お子たちの心を思って、暗澹たる気持ちになりました。どうやって育ってゆくのでしょう。そればかりが心配でした。伯母夫婦もやはり、それだけが心残りのようでした。血を分けた孫ですし、娘の子どもと縁が切れるのは、どれだけ切ないことでしょう。第三者でもない私は、想像することしかできません。

わたしのことどころではなく

 伯母は、DV加害者の親族では唯一、話しの判るかたでした*2。この夏、ずっと面倒をみてきたお祖母ちゃん(伯母と義母にとっての母親)を亡くし、お葬式だの何だのを済ませたばかりです。さらに、上のお嬢さんのご主人がガンで余命いくばくもないとお聞きして、何も言えなくなってしまいました*3

義父も義母もあんななかで*4、話しができるのは伯母夫婦だけと思い悩んでおりましたのに、わたしどころではなく、相談できるような状況ではありませんでした*5。伯母夫婦は法的に訴える覚悟で、私たちに法律関係の相談をしたいようでした*6。伯母だけが頼りでしたので、心の底からガックリきたのは事実です。

そんなお話しの最中、DV加害者は伯父さんのお酒を勝手にみんな飲んでしまい、酔っ払いの醜態を晒していました。こちらの相談ができない失望に加え、「思いやり」の欠片もない態度に、つくづく嫌気がさしました。そんな態度も、伯母夫婦は、父親(義父)の行状もよくご存じでしたし、初孫にも関わらず、お祖父ちゃん(父親)のお葬式にも行かなかった三兄弟の行状から、「当たり前のこと」と思っていたのかもしれません。

熊本に対する偏見

DV加害者も、その父親のDV常習者も、ルーツは熊本です。祖父が熊本出身だったそうです。このお話しの、下のお嬢さんがとついだ婚家も熊本と聞き、どうしても熊本に対する偏見が湧き上がってしまいました。九州は主に「男尊女卑」の文化が根強いと聞いていますが、今でも未だこんな風土が当たり前なのでしょうか。

追い詰められる前に

こんなふうに一人で行ってしまう前に、何をかなぐり捨てても、逃げてほしいです。一人で行ってしまうしか考えられなくなるほど、追い詰められてしまう前に、何でもいいから逃れてほしいと思います。命以外は、取り返しがつくことが幾らでもあるでしょう。残されたご両親やお子さんやお友だちや、皆さまの哀しみ・苦しみはいかほどのものでしょうか。

<早く気づいて・早く逃げて>
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*1:義母の姉に当たります。

*2:とはいえ、父方の伯父伯母誰一人会わせてもらっておらず、母方の祖母・伯母が唯一の会ったことのある親族でした。母方の叔父はギャンブル中毒で家庭を壊した挙句、近年まで所在不明であり、義父義母が話しにならないなかの、唯一の親族でした。

*3:しばらくして、この上のお嬢さんのご主人が亡くなり、壮絶なDV真っ盛りのなか、飛行機でお葬式にでかけたのは、過去記事に記したとおりです。

*4:義父は自己愛性人格障害のDV常習者でアルコール中毒・義母は長年のDV被害が祟ってか認知症でひどいものでした。

*5:結局、伯母には何も言えずに逃亡・脱出になりましたが、今でも心残りです。

*6:DV加害者は法的に無知ですし、前妻との裁判も私の友人が助けましたが、そんなこと伯母夫婦が知る由もありません。遠隔地でもあり、あまり役に立つことが言えずに申し訳なかったです。それより、自分のことでアタマが一杯で、こちらも「それどころじゃなかった」ときでした。