早く気づいて・早く逃げて

DVモラハラからの脱出の経緯について書いています。

休養の必要性

ずっと言われていたけれど

週6日・祝祭日なし

なんとか脱出して、生活できていたのはよいけれど、月曜日から土曜日まで勤務して、休みは日曜日だけ、祝祭日も勤務だった。それで生活保護ぎりぎりくらいの給与だったのだ。(✳︎ その貴重な日曜日も大家に蹂躙された件は別記したい。)

転職も考えてはいたけれども、諸書類の処理にも追われ、住居も暫定で、引っ越しも考えねばならず、いま思えば仕事に追われるだけで精一杯だった。

定期的に持病の内科医とカウンセラーのところには通っていた。鬱病で動けなくなって、生活がにっちもさっちもゆかなくなるのが、一番の恐怖だったからだ。当事者会で出会った方々のなかには、無理に無理を重ね、10年経ってもPTSDから回復できずに苦しむお母さんもいらした。PTSDやトラウマを侮ってはいけないと痛感した。「大したことない」「何とかなる」「何とかしなきゃ」と頑張ると、見えないところで着実に蝕まれているのだ*1

カウンセラーに感謝

無意識で無理を重ねてしまう私の手綱を取り、ココロの声も聴けない私に代わって、「先ずカラダの声を聴く」という基本を、じっくり時間をかけて導いてくださった。

ストレスも、「嫌だ」も、「嬉しい」も、全く感じられなくなっていたんだなあ。
つらかったら休んでいい」「嫌ならやらなくていい」今なら基本だと思えることを、毎日のように言い聞かせながら暮らしていた。

私のような被害者体質の者は、ずっと以前から、下手をすると幼少のころから「〜ねばならない」に捉われてしまっているのかもしれない。「自分を大切にする」ということが、何だか全然わかってないのだ。

リトリートという概念

カウンセラーはずっと心配してらした。婚家からの逃亡・脱出を、先ず勧めてくださったのもカウンセラーだったのだけれど、ひーひー言いながらのこの暮らしから、一歩退いて休むよう、ずっと言ってくださっていた。

引っ越して、失業保険をもらいながらの充電中、実は心の中は常に焦っていた。
「こんなことしてていいんだろうか・・・・」
先の不安もいっぱいで、心理状態も随分と不安定だった。

リトリート (Retreat)とは、

  • 退却や後退という意味の英語。
  • 隠居、隠居所、隠れ家。または避難、避難所という意味の英語。
  • 近年、「仕事や家庭生活等の日常生活から一旦切離し、自分と向き合う時間や新しい体験を新しい場所でする事で思考の転換を行い、”よりハッピーに人生を再スタートする”という意味として使われている。*2

 時間が必要

「休養できてよかった」「休養が必要だった」と心から思えるようになってきたのは、やっと落ち着いて3か月も経ってからだった。それだけの休養期間が必要だったのだ。

充電中にやってきたことは、次のとおりだが、

  • 性格をシフトしてゆくよう努める
    (具体的には、気にしない、後回しにする、失敗を普通に受け入れる、等々
    完璧主義と強迫観念や自責から抜けるよう、サボっていいと思えるよう努めた)
  • 綺麗な花や芸術や自然や温泉や・・心地よいものを探して行なう
  • 栄養いっぱいのもの、好きで食べたいものを食べる
  • なるべく動く・外で遊ぶ
  • ツイッターで好きなことを言う
  • ブログを書いて整理する

効果的だったのは、やはり栄養だと思う。人間も生物だ。きちんと食べること、ちゃんと眠ること、といった基本は本当に重要で、覿面に影響する。お金がなくって追い詰められていたけれども、食費だけはケチらなかったのが功を奏した。栄養、特に蛋白質は最も重要だと痛感した。

あと、ありがたかったのは、ツイッターで出逢えたお仲間さんたち。彼女たちの存在が、どれだけ心強かったことか・・
どちらかといえば隠蔽されがちな被害当事者に、リアルでこれだけ巡り逢うことはできなかっただろう。「自分だけ・・」と悩んできたことが、「加害者あるある」と判って、「へ~ ウチも・ウチも」と話し合えて本当によかった。一般にはなかなか理解されにくい、DVモラハラ加害の特性を理解し合い、被害の陰湿さ・執拗さ・巧妙さに憤り、同じ体験を分け合って、共感しあえたことは、とても大きかった*3

※ できれば、これからも、様々な被害当事者や、未だ気づいてもいないような予備軍の方々に、こうして発信してゆければと思っている。
<早く気づいて・早く逃げて>
#早く気づいて・早く逃げて #DVモラハラあるある #DV #モラハラ #DV加害者 #DV啓発 

*1:曲がりなりにもリトリートできたと思える今なら判る。解離等の防衛機制が働いていて、直後は大丈夫なような大したことない感じがしてしまうのだ。無意識で抑制しているので気づかないだけで、心の奥底の傷は、そのまま血を流している。心の回復には時間がかかるし、それには先ず、傷の自覚が大切だと思うが、直後は、その傷に直面できる状態ではない。それが判るのは、休養して、少しは回復してきてからになる。直後の「大丈夫・大丈夫」状態で突っ走ってしまうと、後遺症が長引くのは、よく理解できた。

*2:Wikipediaより

リトリート - Wikipedia

*3:こうして加害者や、そのエリアから離れられ、曲がりなりにも回復の途上にあることは、本当にラッキーだと思う。性犯罪や暴行・傷害の裁判が続いている方々は、引き続き否応なしに事件に直面せざるを得ない。特にシングルマザーの方々は、親権で嫌がらせされ、婚姻費用や養育費の件で嫌がらせされたうえに、ロクに支払ってももらえず、さらに面会交流の強要という遠隔モラハラDVに、引き続きさらされてゆくことになる。せっかく逃げても、加害者の檻の中に閉じ込められて、逃れられないような状態が続いてゆく。加害者個人だけでなく、社会や制度まで、そうしたDVモラハラの継続に加担しているといってよい状況で、この件についての憤りは、また別途記したいと思っている。今もそうして、遠隔モラハラDVにさらされているお母さんたちが、精神的にも物理的にも距離的にも、加害者から解放される日が、一日も早く来るように願ってやまない。彼女たちの回復は、それから始まるのだから。