ああはなりたくない
DVに耐え続けると脳が認知症に逃げ込む
義母が手に負えなくて
最初アタマがおかしいのかと思いました。伯母さん(義母の姉)はまともだし、お祖母ちゃん(義母の母)も歳なりの衰えはあっても、ぴんしゃんしてフツーの会話をしています。そんな歳ではないし、親族の親世代では、最も若いのです。まさか「認知症」だとは思いもよりませんでした。
また、認知症のイメージにも騙されました。あんなに根性がひね曲る型もあるんだなあ、と勉強になりました。今なら「きれいごと」では済まされない、当事者の苦悩もよく判ります。
夫(義父)のDVから逃れて、うちに来て、ダメージと混乱が癒えないのだと、最初は思っていたのです。落ち着くまで、ひとまずゆっくりしてもらえばいいと思いました。
- 冷蔵庫一杯野菜や肉があるのに、まだ買ってくる
- 頂き物のお菓子があるうえ、糖尿で制限が必要なのに、幾つも違う種類のお菓子を買ってくる
- 「こんなに食品がありますから」と並べて示すと、それが悪いと怒り出す
- やたら前妻のことを私に話す*1
- ひとの物を勝手に使う*2
- 大量の料理を作る
- 嫌がっても判らない
- (やんわり)注意するとキレる
- 都合の悪いことは聴こえない
挙げればキリがないです。ほんの2、3日で、温かな気持ちは吹き飛んでゆきました。「このひとも(夫や息子と同じで)思いやりを持つだけ損なひとなのか」とガックリきました。が、気持ちより実害が大きかったです。毎日毎日、大量の食品と料理の後始末に追われました。仕事が最も忙しいシーズンだったので、ほとほと参りました。
始末が悪い
何より、自分でものを考えようとしないのが、手に負えなかったです。DV一族はものを考えない者ばかりでしたが、こんなにアタマを使わないひとは生まれて初めて見ました。のちに伯母から、「学校時代はいつも一番だった」と聞いて、信じられない思いがしたものです。よほど日ごろからアタマを使わない生活をしているのだと思っていました。創意工夫する以前の問題で、自分のことも自分で決められないのです。「ひとがどうにかしてくれる」のを待っている状態で、不満ばかりを訴えます。毎日がつまらないのなら、本を買ってきて読むなり、お裁縫を始めるなり、自分が自分で楽しいように、考えて進めればいいと思ったのですが、「つまらない」「つまらない」には、こちらが癇癪を起こしそうでした。
~DV虐待の脳科学的研究~から
長いことDV(モラハラ含む)の状態にさらされて耐え忍んでいると、脳が現実を受けとめたくなくて、「認知症」に逃げ込みます。*3
強いストレスは寿命を縮め認知症のリスクも高まる
コルチゾールの過剰分泌は脳の記憶や学習能力に関わる海馬を縮小させることが分かっており、強いストレスは認知症のリスクを高めてしまう可能性も指摘されています。*4
結果、DV加害者は
DV夫は「完全制覇」の状態に満足して、下の世話から何から嬉々として行ないます。
ケアを行うことが支配そのものになる場合がある。例えば、男性による妻の介護である。(中略)
「俺がこの家のあるじだ」という(日本でいうところの)亭主関白オヤジは、実は、妻の介護に適応しやすい面があるのだという。
「そんなオヤジは、介護なんて一番やりたがらなさそう」と思うかもしれないが、カラサンティ氏はここでもやはり支配をキーワードに、この現象を腑分けする。
亭主関白オヤジにとって、妻は自分に従うべき者=「被支配者」である。そういう彼らが妻を介護することは、これまでの支配関係の延長にすぎない。
なぜなら、彼らに介護される妻は、彼らなしではごはんも食べられず、トイレにも行けず、いわば生存を丸ごと彼らに預けざるをえない「究極の被支配者」だからだ。その意味で、亭主関白オヤジにとって、妻を介護することは「今までどおり」の関係性なのである。*5
華麗なるDV一族
誰から始まったのか、どこまで余波が広がっているのか、そこは判りません。少なくとも、義父は若いころからずっと自己愛性人格障害のDVモラハラ加害者であり、義母はその被害にさらされてきました。DVモラハラ加害者である夫は、その環境でDVモラハラを学習し、被害者として脳萎縮してしまったのか、元々発達障害系だったのかは判りません。親世代にも兄弟にもギャンブル中毒とアルコール中毒だらけです*6。夫は前妻にもDVを働いて逃げだされているので*7、息子たちの異常行動も、その環境でDVモラハラを学習し、被害者として脳萎縮してしまったのか、元々発達障害系だったのかは判りません*8。
こんな見事な世代間連鎖は、研究のサンプルになりそうです。こういう者たち*9が世の中に存在すると知らなかったわたしは、ずいぶんおめでたかったと後にしみじみ思いました。
強烈な教訓
学校時代の成績は一番だったかもしれないけれど、夫の言うことに唯々諾々と従って、自分のアタマでものを考えず、「あなた任せ」の人生を送っていると、あんなになってしまうのだと思いました。全く自分のアタマで考えない、何もかも自分では決められない姿は、空恐ろしくなりました。「あんな廃人のようなひとにはなりたくない」「夫のDVから逃れるのにも、何も自分で決められないようなひとにはなりたくない」
何より、DVモラハラがうつって、当然のことになってしまうのでしょうか、底意地の悪い根性になっていました。いじめ虐待の連鎖で、やられた側は、今度やる側を見つけると、嬉々として同じことを繰り返すのです。理性のあるうちに、そうした状況を自覚して把握しておかないと、こうした自動的な連鎖が起こります。
DV被害者の末路を見てしまった、このときの教訓が、のちのち全速力で逃げる後押しになりました。論より証拠の最たるもの、末路の実物をこの目でしっかり見たショックは、それだけ大きかったです。
もうひとつ余波がありました。夫が「母親がオヤジを怒らせるから、殴られても仕方がない」という発言をしていたことです。後日、「自分の身にDVが振りかかっているのでは」と疑ったとき、この発言が『DVそのもの』だと気づかせてくれる、確たる証左になりました。*10
認知症になりたくなければ、早く気づいて逃げましょう
<早く気づいて・早く逃げて>
#早く気づいて・早く逃げて #DV #モラハラ #DV加害者 #DV被害者 #DV啓発 #華麗なるDV一族
*1:意地悪ならまだ判ります。意地悪じゃないところが始末が悪かったです。友だちに話しても、なかなか判ってもらえないことでした。
*2:ほうれんそうできないのは一族に共通していましたが。
*3:脳科学の研究は日進月歩で、次々に新説が発表されて、なかなかまとめられないでいます。虐待の被害者がやられてしまう脳の領域と、発達障害が不活性の脳の領域が、認知症でやられる脳の領域とほぼ重なるのを知って、驚きました。虐待(DV)被害は、第四の発達障害といわれるそうです。道理で、加害者の研究をしていて、発達障害なのか被害者としての脳萎縮なのか見分けがつかなかったはずです。
*4:
*5:
*6:結婚してから知りました。騙されたと思いました。騙された自分が情けなかったです。
*7:息子の証言、裁判の記録
*8:前妻が連れて出た下の息子は、女の子をとっかえひっかえ、デートDVを繰り返しています。上の息子の証言より。
*9:心が無いので、「ひと(人)」と呼びたくないのです。
*10:こんな一族といても、まだ自分がDV被害者だと気づいていなかったことには、忸怩たる思いがします。