ありがたい・申し訳ないの罠
自己肯定感が低いと、とんでもないものに引っ掛かる
全て「DV男の見分けかたリスト」に書いてあったのに*1
- 出会ってすぐに結婚しようという男は危ない*2
- 何が何でも籍を入れようとする男は危ない*3
田舎企業に勤めて、体験したこともないパワハラ・モラハラに遭い、病気になって休職の挙句、退職勧奨を受けて、体のいいリストラされたばかりだった。
田舎のこととて、自活する収入を得られる職もなく*4、探す企業・探す企業ブラックばかりだった。そんな打ちひしがれた心の隙間に魔の手は忍び寄る。
「うちへおいでよ」
今では思う。打ちひしがれているときこそ、気を引き締めて自覚しよう。
うまい話しは無い。美味しい話しこそ危ない。
こんな私をありがたい・申し訳ない
助けていただいて、ずっと感謝しようと思った。そう思われるよう狙っていたんだ。DV加害者に自覚があったにせよ、なかったにせよ。*5
その後の取り扱いを見れば一目瞭然だったのだが、「ありがたい・申し訳ない」で、違和感に対して盲目になっていた。目をつぶっていた。「一肌脱ぐのは愛情」だと思っていた。DV加害者がそう信じているとおりに。
奴が必要だったのは、「単なるオンナ」だ。わたしでなくてもいい。わたしの個性なんてどうでもいい。前妻に逃げられた自分の体裁を救うための、オンナなら何でもよかった。人間の扱いをしていない。というか、ああいうのが人間の扱いだと、DV家庭で学習してきたのだろう。
大事にしているという独善
「手伝う」って相手がして欲しい事を、して欲しい時にする事だと思う。自分がしてあげたいことをしたい時にやってあげるのは「自己満足」。自己満足なら感謝してくれるかどうかはわからない。
— ふう (@EimyFolletto) 2017年9月13日「こんなに大事にしているのに」というのはDV加害者の『つもり』で、要は"自分が好きな時に、自分が好きなように、自分が好きなことをやってあげてる"だけで、こちらの気持ちは1ミリも無い。しかも『あげてる』の押し付けつき。
こちらが『やってほしいこと』は、『我がまま』であり、『文句』でしかない。どこまで行っても平行線の、自己中の域を出てこない。
DVモラハラも耐え難くなり、どんどん違和感が増してきて、「ありがたい・申し訳ない」魔法も消えてきたころ、親切ごかしで迷惑な行為に、「それは独善だ」と厳重に抗議したことがある。憮然として怒り出した。
「いいと思ってやってやってるのに」
ひとの心は違うということが理解できないバカだった。「自分がいいと思うことは、いいと思え」と支配した。「違う」と説明すればするほど怒り狂い、暴力に発展した。
「こいつアタマおかしい」と気づけた瞬間だった。これに気づくまでに、随分の時間が要った。
自己肯定感が低い悪影響
それだけ「ありがたい・申し訳ない」魔法は、強力にがんじがらめにしていた。自分の本当の気持ちさえ、全て押し殺して、否認してしまうほどに。
「そういうものよ」
「そのくらい普通」
「あなたが変わる努力をしてみたら」
だいたい第三者の意見という外圧は、それを後押しこそすれ、引き留めてはくれない。四方八方の同意見のなかで、少数派のわたしの心は押し殺されてゆく。
自己肯定感の高いひとなら、「いいや、そうは言ってもおかしい」と、自分の心を信じ、抜け出すのも早くなろう。そもそも、こんなバカ男に引っ掛けられない。引っ掛かっても速攻逃げる。自分の心が信じられない者は、軽く他者に流されてしまうのだ。
プラス、ジワジワくるDVモラハラのコントロールに、気づかぬうちに洗脳されてゆく。
わたしも、「我がままでもいい」「人非人でもいい」「もう嫌だ」と開き直れなければ、いつまでも脱出できなかっただろう。
DVモラハラ加害者は、巧妙に、本能的に、無意識的に、そういう真面目で優しいタイプをターゲットに狙ってくる。まったく考えもせずに、自然に。
<早く気づいて・早く逃げて>
#早く気づいて・早く逃げて #DV #モラハラ #DV加害者 #DV被害者 #DV啓発 #華麗なるDV一族*1:気づいたのは後
*2:有無を言わせず押しの一手
*3:
- 助走期間を置こう
- 全面引っ越しをする前に暫くお試し期間を作ろう
- 暫く籍を入れるのは待って様子を見よう
これらの提案は、「お金がかかる」と一切却下された。いま思えば、いかにもこちらのことを考えてる風の言い分だった。しかし、費用を出したのは全部こちらで、結局DV加害者は痛い思いをしていない。騙されていた。あまりに悔しくて、あんな男に騙されたと認めたくなかったのかもしれない。
*4:主婦向けパートばかり:自活する女性が少数派のうえ、白い目で見られる風土。女性は親か夫と暮らすのが当然という風潮。
*5:最後まで、助けてやったと信じていたようだ
こんなに大事にしているのに
幸せでないのはわたしが悪いの?
大事にされてる感じがしないの
DV加害者は毎日のように、
「こんなに大事にしているのに」
「こんなに大事にしているのに」
と繰り返し言った。
わたしは思っていた。
「それだけ大事にされてるのに、どうして毎日つらいんだろう?」
「大事にされてるのに、幸せに感じない、わたしが悪いのだろうか?」
あるとき友だちに訊いてみた。
「全然、大事になんてされてないじゃん」
「どこが大事にしてるんだよ、それで!」
※ DV加害者は『大事にしてるつもり』だったのだ。
現実は全く違っていても。
『独善』というやつだった。
わたしが騙され続けたのは
自己肯定感が低い悪影響で、自分の気持ちが信じられなかったから。嫌だという自分の気持ちが掴めていなかったから。言ってることとやってることの違いが見えてなかったから。
悪気が無ければ何をしてもいいのか?
勤務先で、誰かが何かをやらかすたびに、上司が言った。
「悪気は無いんだ。許してやってくれ。」
そのたび、わたしはむかっ腹が立って仕方がなかった。
どこまで、何なら、許せる・許してよいのだろう?たとえ許すとしても、やっちまった本人に、やっちまった事実とその結果まき起こされたことは、きっちり知らせてやったほうがよいのではないか?
- 義母は、悪気が無くて、前妻の話しばかりした
- 義母は、悪気が無くて、家の中を引っ掻き回した
- DV加害者の息子は、悪気が無くて、わたしのお金を盗み続けた
- DV加害者の息子は、悪気が無くて、大切な物に酷い扱いをして傷めた
- DV加害者は、悪気が無くて、大切なものばかり捨てたり壊したり失くしたりした
- DV加害者は、悪気が無くて、凄まじい生活制限というDVを加えて、栄養失調まで追い込んだ
最悪なのは、自分が何をしているか気づいていなくて、酷いことをする奴ら。気づこうともせず、逆ギレをする奴ら。意地悪のほうが目的が明確でまだマシだ!*1
<早く気づいて・早く逃げて>
#早く気づいて・早く逃げて #DV #モラハラ #DV加害者 #DV被害者 #DV啓発 #華麗なるDV一族
*1:DVモラハラ加害者にも色んなパターンがあると思う。「意地悪・嫌がらせ大好き」DVモラー(Twitterのお仲間さんが、DVモラハラ男のことを、「モラモラ」とか「モラー」とか呼んでいらした。「モラ夫」「モラ男」(モラオ)も同様。)も沢山いるようだ。脳科学的にも、この嫌がらせ・いじめタイプは解明されてきた。やられるほうは何でも嫌だと思うけれど、こういうタイプのほうが判り易い。また、頭脳の程度も色々で、卑怯・冷酷なのは変わりないとしても、証拠の掴み易いバカもいれば、陰湿さが天才的な奴もいる。いずれにしても、考えてやっているわけではないらしい。嘘や誤魔化しの学習機能は、本能的なものなので、どんどんエスカレートしてゆく。酷い話しだけれど、意地悪型・証拠掴み易いバカのほうが御し易い。独善的な陰湿タイプが、最も始末が悪いが、実はエリートに多いらしい。
ああはなりたくない
DVに耐え続けると脳が認知症に逃げ込む
義母が手に負えなくて
最初アタマがおかしいのかと思いました。伯母さん(義母の姉)はまともだし、お祖母ちゃん(義母の母)も歳なりの衰えはあっても、ぴんしゃんしてフツーの会話をしています。そんな歳ではないし、親族の親世代では、最も若いのです。まさか「認知症」だとは思いもよりませんでした。
また、認知症のイメージにも騙されました。あんなに根性がひね曲る型もあるんだなあ、と勉強になりました。今なら「きれいごと」では済まされない、当事者の苦悩もよく判ります。
夫(義父)のDVから逃れて、うちに来て、ダメージと混乱が癒えないのだと、最初は思っていたのです。落ち着くまで、ひとまずゆっくりしてもらえばいいと思いました。
- 冷蔵庫一杯野菜や肉があるのに、まだ買ってくる
- 頂き物のお菓子があるうえ、糖尿で制限が必要なのに、幾つも違う種類のお菓子を買ってくる
- 「こんなに食品がありますから」と並べて示すと、それが悪いと怒り出す
- やたら前妻のことを私に話す*1
- ひとの物を勝手に使う*2
- 大量の料理を作る
- 嫌がっても判らない
- (やんわり)注意するとキレる
- 都合の悪いことは聴こえない
挙げればキリがないです。ほんの2、3日で、温かな気持ちは吹き飛んでゆきました。「このひとも(夫や息子と同じで)思いやりを持つだけ損なひとなのか」とガックリきました。が、気持ちより実害が大きかったです。毎日毎日、大量の食品と料理の後始末に追われました。仕事が最も忙しいシーズンだったので、ほとほと参りました。
始末が悪い
何より、自分でものを考えようとしないのが、手に負えなかったです。DV一族はものを考えない者ばかりでしたが、こんなにアタマを使わないひとは生まれて初めて見ました。のちに伯母から、「学校時代はいつも一番だった」と聞いて、信じられない思いがしたものです。よほど日ごろからアタマを使わない生活をしているのだと思っていました。創意工夫する以前の問題で、自分のことも自分で決められないのです。「ひとがどうにかしてくれる」のを待っている状態で、不満ばかりを訴えます。毎日がつまらないのなら、本を買ってきて読むなり、お裁縫を始めるなり、自分が自分で楽しいように、考えて進めればいいと思ったのですが、「つまらない」「つまらない」には、こちらが癇癪を起こしそうでした。
~DV虐待の脳科学的研究~から
長いことDV(モラハラ含む)の状態にさらされて耐え忍んでいると、脳が現実を受けとめたくなくて、「認知症」に逃げ込みます。*3
強いストレスは寿命を縮め認知症のリスクも高まる
コルチゾールの過剰分泌は脳の記憶や学習能力に関わる海馬を縮小させることが分かっており、強いストレスは認知症のリスクを高めてしまう可能性も指摘されています。*4
結果、DV加害者は
DV夫は「完全制覇」の状態に満足して、下の世話から何から嬉々として行ないます。
ケアを行うことが支配そのものになる場合がある。例えば、男性による妻の介護である。(中略)
「俺がこの家のあるじだ」という(日本でいうところの)亭主関白オヤジは、実は、妻の介護に適応しやすい面があるのだという。
「そんなオヤジは、介護なんて一番やりたがらなさそう」と思うかもしれないが、カラサンティ氏はここでもやはり支配をキーワードに、この現象を腑分けする。
亭主関白オヤジにとって、妻は自分に従うべき者=「被支配者」である。そういう彼らが妻を介護することは、これまでの支配関係の延長にすぎない。
なぜなら、彼らに介護される妻は、彼らなしではごはんも食べられず、トイレにも行けず、いわば生存を丸ごと彼らに預けざるをえない「究極の被支配者」だからだ。その意味で、亭主関白オヤジにとって、妻を介護することは「今までどおり」の関係性なのである。*5
華麗なるDV一族
誰から始まったのか、どこまで余波が広がっているのか、そこは判りません。少なくとも、義父は若いころからずっと自己愛性人格障害のDVモラハラ加害者であり、義母はその被害にさらされてきました。DVモラハラ加害者である夫は、その環境でDVモラハラを学習し、被害者として脳萎縮してしまったのか、元々発達障害系だったのかは判りません。親世代にも兄弟にもギャンブル中毒とアルコール中毒だらけです*6。夫は前妻にもDVを働いて逃げだされているので*7、息子たちの異常行動も、その環境でDVモラハラを学習し、被害者として脳萎縮してしまったのか、元々発達障害系だったのかは判りません*8。
こんな見事な世代間連鎖は、研究のサンプルになりそうです。こういう者たち*9が世の中に存在すると知らなかったわたしは、ずいぶんおめでたかったと後にしみじみ思いました。
強烈な教訓
学校時代の成績は一番だったかもしれないけれど、夫の言うことに唯々諾々と従って、自分のアタマでものを考えず、「あなた任せ」の人生を送っていると、あんなになってしまうのだと思いました。全く自分のアタマで考えない、何もかも自分では決められない姿は、空恐ろしくなりました。「あんな廃人のようなひとにはなりたくない」「夫のDVから逃れるのにも、何も自分で決められないようなひとにはなりたくない」
何より、DVモラハラがうつって、当然のことになってしまうのでしょうか、底意地の悪い根性になっていました。いじめ虐待の連鎖で、やられた側は、今度やる側を見つけると、嬉々として同じことを繰り返すのです。理性のあるうちに、そうした状況を自覚して把握しておかないと、こうした自動的な連鎖が起こります。
DV被害者の末路を見てしまった、このときの教訓が、のちのち全速力で逃げる後押しになりました。論より証拠の最たるもの、末路の実物をこの目でしっかり見たショックは、それだけ大きかったです。
もうひとつ余波がありました。夫が「母親がオヤジを怒らせるから、殴られても仕方がない」という発言をしていたことです。後日、「自分の身にDVが振りかかっているのでは」と疑ったとき、この発言が『DVそのもの』だと気づかせてくれる、確たる証左になりました。*10
認知症になりたくなければ、早く気づいて逃げましょう
<早く気づいて・早く逃げて>
#早く気づいて・早く逃げて #DV #モラハラ #DV加害者 #DV被害者 #DV啓発 #華麗なるDV一族
*1:意地悪ならまだ判ります。意地悪じゃないところが始末が悪かったです。友だちに話しても、なかなか判ってもらえないことでした。
*2:ほうれんそうできないのは一族に共通していましたが。
*3:脳科学の研究は日進月歩で、次々に新説が発表されて、なかなかまとめられないでいます。虐待の被害者がやられてしまう脳の領域と、発達障害が不活性の脳の領域が、認知症でやられる脳の領域とほぼ重なるのを知って、驚きました。虐待(DV)被害は、第四の発達障害といわれるそうです。道理で、加害者の研究をしていて、発達障害なのか被害者としての脳萎縮なのか見分けがつかなかったはずです。
*4:
*5:
*6:結婚してから知りました。騙されたと思いました。騙された自分が情けなかったです。
*7:息子の証言、裁判の記録
*8:前妻が連れて出た下の息子は、女の子をとっかえひっかえ、デートDVを繰り返しています。上の息子の証言より。
*9:心が無いので、「ひと(人)」と呼びたくないのです。
*10:こんな一族といても、まだ自分がDV被害者だと気づいていなかったことには、忸怩たる思いがします。
哀しいお話し
思い余っての反撃が
「こんなことなら離婚を許せばよかった」の慚愧
※ 支援者団体の代表のかたからお聞きいたしました
とある裁判所の傍聴席で、被告のお父さんが男泣きに泣きながら、もらしたそうです。自分が頑強に離婚を反対したばかりに、娘を殺人犯にしてしまったと。ここまで追い詰められているなら、何故自分は判ってやれなかったのかと。後悔でいっぱいでも、後悔してもしきれないと。
被告であるお嬢さんは、幾度も幾度も父親に、「DVがつらい」「耐えられない」「離婚したい」と頼んだそうです。「そういうものだ」「我慢しなさい」の一点張りで、頑として離婚を認めなかった父親。娘さんは、幼いお子さんを抱えて、身動きが取れなかったのでしょう。実家の両親が受け入れてくれなければ、飛び出して逃げて行く先は、お子たちと生活するすべは、なかったのでしょう。
そして、我慢に我慢を重ね、耐えに耐えて、もう耐えられないと思い詰め、反撃して、夫を手にかけたのでしょう。とてもやるせないおもいがします。
残されたお子たちは
そのご両親が引き取って育てるようでしたが、父親は死に、死なせた母親は刑務所へ。
どんなにつらいことでしょうか。想像することしかできませんが。
殺人事件になると逆転する統計
警察の犯罪統計(2011年)によれば、配偶者間における犯罪のうち、暴行事件は93.2%、傷害事件は93.6%、殺人事件は56.3%の妻が被害者となったケースです。
配偶者間の事件*1のうち、妻が被害者になった割合は、
暴行93%、傷害94%、ときて殺人56%と、がくんと落ちているのが不思議です。44%の妻が夫を殺めているのには、言うに言われぬ訳があります。その内訳として、長年のDVに耐えかね、「このひとがいては生きてゆけない」「もう耐えられない」と反撃した挙句、殺人にまで至ってしまうのです。
この事実を知ったときは、酷い衝撃を受け、しばし考え込んでしまいました。
同じことを幾度も書きますが
美容院や銀行の待合室で読む、女性雑誌の三面記事やワイドショーのネタは、「ひとごと」ではありません。「明日は我が身」と認識してほしいのです。こういう事件になる前、何でもいいから、親族や友人が反対していても、全てをかなぐり捨てても、逃れてほしいと思います。身近な人々の反対に足を引っ張られるのは、私も経験しました。暴力の余波で、自己肯定感が特に落ちているとき、振り払ってでも自分の心を信じるのは難しいと痛感します。それでも、一時的に逃れて冷静な時間をつくるだけでもいいので、逃れてほしいと心から願っています。
<早く気づいて・早く逃げて>
#早く気づいて・早く逃げて #DVは犯罪です #DV #モラハラ #DV被害者 #DV啓発
胸の痛い話し
3人のお子さんを残して
自死されるほどの追い詰められかたとは
欠礼はがきを見て驚きました。伯母さん*1の下のお嬢さんが亡くなられたとの旨。お祖母ちゃんのお見舞いに伺ったとき、そういう話しは一切なかったのに。遠隔地でもあり、お線香を上げに行かれたとき、お話しを伺いました。
最後の連絡を不審に思った伯母夫婦が、警察と共に探しに出掛け、間に合わなかったそうです。国定公園で、訪れたかたが警察に通報し、発見されたとのこと。伯父さんもがっくり肩を落としておられました。
むごい話しでした。里帰りしたお嬢さんに、伯母さんが「帰ってきてもいいんだよ」と言ってきかせ、「それでも子どもが心配」と言って嫁ぎ先に戻って行った矢先だったそうです。婚家でどんな仕打ちを受けていたか、詳細は知りません。が、ずいぶん酷いことだったようで、家族を挙げてお嬢さんを攻撃し、義父・義母・夫は子どもたちに対して、ずっと母親の悪口を吹き込んでいました。
婚家は「知らぬ存ぜぬ」で、他県の警察までなきがらを迎えに行った伯母夫婦は、そのまま家に連れ帰り、野辺送りを済ませました。
法的にも夫婦のまま、お嫁入り道具も預貯金も、彼女のお洋服や持ち物もそのままです。何の対応もない婚家に業を煮やし、話しに行った伯母夫婦に対して、まだ小学生のお子たちを前面に出し、話し合いにも応じません。お子たちの前で、荒立った話しもできず、引き下がってきましたが、ひとことの詫びもなかったとのこと。
ひとごとながら、こんなむごい話しがあるものかと、絶句しました。お子たちを置いて一人で逃げる、お子たちを連れて実家に逃げる、こちら側にいる私たちには様々な案が浮かびます。お子たちを最も心配していた「お母さん」が、『その子を置いて一人であちらに行ってしまう』というのは、よほど考えもできぬようになるほど、追い詰められていたのだと思えました。
お子たちのこれからが心配
たとえ、祖父・祖母・父親が、何を言っていようが、お子たちにとっては「お母さん」です。その母親が亡くなって、しかも自死というかたちでの突然のできごとに、どれだけショックを受けていることでしょう。あの家の雰囲気では、母を亡くしても哀しみすらできぬかと思うと、お子たちの心を思って、暗澹たる気持ちになりました。どうやって育ってゆくのでしょう。そればかりが心配でした。伯母夫婦もやはり、それだけが心残りのようでした。血を分けた孫ですし、娘の子どもと縁が切れるのは、どれだけ切ないことでしょう。第三者でもない私は、想像することしかできません。
わたしのことどころではなく
伯母は、DV加害者の親族では唯一、話しの判るかたでした*2。この夏、ずっと面倒をみてきたお祖母ちゃん(伯母と義母にとっての母親)を亡くし、お葬式だの何だのを済ませたばかりです。さらに、上のお嬢さんのご主人がガンで余命いくばくもないとお聞きして、何も言えなくなってしまいました*3。
義父も義母もあんななかで*4、話しができるのは伯母夫婦だけと思い悩んでおりましたのに、わたしどころではなく、相談できるような状況ではありませんでした*5。伯母夫婦は法的に訴える覚悟で、私たちに法律関係の相談をしたいようでした*6。伯母だけが頼りでしたので、心の底からガックリきたのは事実です。
そんなお話しの最中、DV加害者は伯父さんのお酒を勝手にみんな飲んでしまい、酔っ払いの醜態を晒していました。こちらの相談ができない失望に加え、「思いやり」の欠片もない態度に、つくづく嫌気がさしました。そんな態度も、伯母夫婦は、父親(義父)の行状もよくご存じでしたし、初孫にも関わらず、お祖父ちゃん(父親)のお葬式にも行かなかった三兄弟の行状から、「当たり前のこと」と思っていたのかもしれません。
熊本に対する偏見
DV加害者も、その父親のDV常習者も、ルーツは熊本です。祖父が熊本出身だったそうです。このお話しの、下のお嬢さんがとついだ婚家も熊本と聞き、どうしても熊本に対する偏見が湧き上がってしまいました。九州は主に「男尊女卑」の文化が根強いと聞いていますが、今でも未だこんな風土が当たり前なのでしょうか。
追い詰められる前に
こんなふうに一人で行ってしまう前に、何をかなぐり捨てても、逃げてほしいです。一人で行ってしまうしか考えられなくなるほど、追い詰められてしまう前に、何でもいいから逃れてほしいと思います。命以外は、取り返しがつくことが幾らでもあるでしょう。残されたご両親やお子さんやお友だちや、皆さまの哀しみ・苦しみはいかほどのものでしょうか。
<早く気づいて・早く逃げて>
#早く気づいて・早く逃げて #DVは犯罪です #DV #モラハラ #DV被害者 #DV啓発
*1:義母の姉に当たります。
*2:とはいえ、父方の伯父伯母誰一人会わせてもらっておらず、母方の祖母・伯母が唯一の会ったことのある親族でした。母方の叔父はギャンブル中毒で家庭を壊した挙句、近年まで所在不明であり、義父義母が話しにならないなかの、唯一の親族でした。
*3:しばらくして、この上のお嬢さんのご主人が亡くなり、壮絶なDV真っ盛りのなか、飛行機でお葬式にでかけたのは、過去記事に記したとおりです。
*4:義父は自己愛性人格障害のDV常習者でアルコール中毒・義母は長年のDV被害が祟ってか認知症でひどいものでした。
*5:結局、伯母には何も言えずに逃亡・脱出になりましたが、今でも心残りです。
*6:DV加害者は法的に無知ですし、前妻との裁判も私の友人が助けましたが、そんなこと伯母夫婦が知る由もありません。遠隔地でもあり、あまり役に立つことが言えずに申し訳なかったです。それより、自分のことでアタマが一杯で、こちらも「それどころじゃなかった」ときでした。
DVモラハラあるある第二弾【まとめ】その2
「従属物」「所有物」
引用から
結局のところ、男性は、家庭内での支配関係を維持するための暴力を振るうといってしまっても良いと思います。
そして、そのほとんどすべての場合、男性は女性を「1人のかけがえのない人間」としてではなく、自分に付き従う「従属物」や「所有物」としてしか見ていません。
だからこそ、反抗することなど、男性にしてみれば、とんでもないこと、許されざることなのです。そして、そのことを解らせるために、手段として暴力を使用するのです。
<早く気づいて・早く逃げて>
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